2011 年 05 月

被災地のアレルギー患者を支える人々① 支援物資の流れ

 震災から2ヶ月、アレルギー支援ネットワークは不眠不休&試行錯誤で震災直後から被災地のアレルギー患者を支援してきました。支援ネットは、多くの方々からの支援のお申し出を支援が必要な方に的確に支援し続けています。

 お申し出には様々なカタチがあって、まず震災直後は、支援ネットが以前から取り組んでいる東海・東南海地震に備えた災害協定で備蓄していた物資(アルファ化米・ミルク・副食・肌着など)を支援しました。その後は、私どもの活動を支援していただいている賛助会員(法人会員)さんから提供して頂いたり、私達の支援活動を自ら探し、直接「●●が提供できます」と連絡をして頂いた企業・団体・個人からのご好意に頼っています。

 ただ、物資に関しては、現地の状況が刻一刻と変わっていて、今日必要と言われた物を手配しているうちに、明日にはいっぱいになってたり、別のものが必要になってたり…という状況です(特に一般物資は)。ですので、これはアレルギーに関してだけではありませんが、いくら支援する側/したい側が被災地に支援物資という好意でお送りしても、不要なものやすでに溢れているものであった、ということも少なからずあります。

 また、物資は届いても、どうやって本当に必要な所・人に渡すのか…。少数派支援をするうえの課題です。

 支援ネットでは、一旦支援物資のお申し出をいただいたら、それをリストアップしておき、被災者の方と個別に相談し、本当に必要とされる方に必要な物を支援しています。
被災者の方や現地の支援団体が必要とされる物資が明確になった時点で、改めてリストを確認したうえで初めて支援物資提供のお願いをしています。渡す方法は宅配業者か、業者が届かないところはボランティアさんが手渡しをします。

 震災直後から大変多くの方から、ご支援のお申し出をいただいていますが、リストアップのままの方も多くいらっしゃいます。すぐに物資を送るのではなく、「本当に必要な方に必要な物を必要な量」で支援をしているので、なかなか皆様からのお申し出に即座に対応が出来なくて申し訳ありませんが、今後もピンポイントで地道に支援をしていきますので、ご理解ならびにご支援をよろしくお願いします。

津波の脅威は何処もすさまじい!(名取報告)

津波の脅威は何処もすさまじい!
津波の威力に負けない地域の絆!立ち上がれ名取!

先週から岩手県入りしています。
長期にわたる支援のあり方を模索するためです。

そこへ第2陣のボランティアをしていただいた方から地域の取り組みの情報が・・・。

宮城県名取市の職員の方が熱気球をあげて子どもたちに復興を始める町の姿を見てほしいと。そして、町が復興していくたくましさを胸に刻んでほしいと。

5月16日(月)、名取市に入ることに。
名取災害支援センターの方・太田さんやつないでいただいた高山市のマサイさんの熱い気持ちにこたえるために、大船渡入りする予定を急遽!変更する。

太田さんに被災現場の案内をしていただきました。
これまで、いわき市や陸前高田などなどの沿岸地域の被災状況を見てきましたが、何処もその津波の威力の大きさに圧倒!です。

それでも、太田さんは
「瓦礫の処分が緊急というが、撤去したあとどうするのか!?」「そこに家が建つのか。町ができるのか?もっと復興に向けた大切なことがないのか」と。
「地域の生産者が立ち直れるようにすること、地域の店が、地域の人々が元の生活に戻れるようにすること。もっとすぐにやることがあるのでは?」と問いかけます。

前議員とは思えぬ(失礼!)地域復興の熱意に思わず、共感!

ある家に案内される。
母の日にTVでも放映されたカーネーションの生産農家。

ハウスの中は津波で運ばれたヘドロが・・。これでもずいぶん片付けられたと。
「市に頼んだら、個人の家の中の片付けはボランティアを派遣できるが、店や田畑、ハウスは派遣できないといわれた」。太田さん曰く、「津波によって運ばれたヘドロに違いはない。まして、地場の生産者が困っていることは行政も考えないと。行政ができないならNPOができる仕組みをつくればいい。地域のみんなが喜ぶことをやろうや」と。

この意気込みにこたえて
アレルギー支援だけでなく、生産農家とその地域住民の瓦礫、&ヘドロ撤去も一緒に行うボランティア募集です。

しかも!その後、支援センターの事務所での話し合いに居合わせたバス観光会社の方が、「東京から仙台までの夜行バスを運行しているけど、仙台から名取までは無料で運行してもいいよ」と!
こんなときだからこそ、人の絆は広がるものと改めて感じる。

「熱気球をあげて子どもに元気になってほしい」から始まった名取市の絆の広がりはきっと、アレルギーの子どもたちを育む町づくり・復興にむけた希望のとりくみなると確信!
保育園や学校などとの話し合いもアレルギーの情報を共有するなどの連携が始まることに。

地域を人々の暮らしを思う心が、お互いの立場を乗り越えて、地域の自立・共助の仕組みづくりに結びつこうとしています。

今後の続報にご期待を。

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ボランティア募集

作業の内容;

アレルギー支援の炊き出しやと名取の生産農家、その周辺地域のヘドロ撤去。

集まった人数により、行き先を振り分けさせていただきます。

アレルギー支援(炊き出しなど);10人程度

ヘドロ撤去;20人以上

日程;6月4(土)~5日(日)、1日、2日でもOK。

東京から仙台までの交通費は各自負担です。(名取-仙台間は無料)

又、ボランティア保険など各自でお入りください。

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110516-1津波のすさまじい破壊力
津波のすさまじい破壊力!

110516-2破壊しつくされた漁港に集まる海の男達
破壊しつくされた漁港に集まる海の男達

110516-3ヘドロの中から生き返る花の生命力
ヘドロの中から生き返る花の生命力!

110516-4ハウスの中いっぱいのヘドロの片付けられた様子
ハウスの中いっぱいのヘドロの片付けられた様子

110516-5ヘドロがまだ生々しい
ヘドロがまだ生々しい!

110516-6名取災害支援センター
名取災害支援センター太田さん(右)

再度、東北へ!中長期支援活動の模索!

 本日5月12日からアレルギー支援ネットワークの災害担当、栗木が4度目の東北入りをしました。

 今までは支援物資輸送のためのルートや拠点確立、ならびに被災地の状況把握などがメインでしたが、今回は少し違う観点での被災地訪問です。

 それは、震災から2ヶ月が経ち、支援物資などだけではなく、被災地の復興のための活動です。

 復興支援が本業ではありませんが、復興とはただ単に元のカタチに戻すのではなく、よりよい街に“再び生まれ変わる再構築”ための機会でもあります。

 そのために私達は現地の団体などと協力をしながら、アレルギーに関する配慮や知識(ソフト面)を広めながら、現地で必要とされるハード面での復興支援も同時に協働して行ってく予定です。

 今回の栗木の現地入りはそのための下準備や調整です。今後の活動の詳細が決まり次第、このブログでも情報発信をしていきますので、ご期待下さい!!