2011 年 09 月

震災がつなぐ全国ネットワーク

  アレルギー支援ネットワークは、もともと防災活動(東海・東南海地震を想定)とし て「震災がつなぐ全国ネットワーク(以下、震つな)」に参加しています。このネットワークは日本全国からさまざまなボランティア団体や人道支援団体などが参加しています。

 この度、震つな主催の第4回・東日本大震災仮設支援連絡会が東京で開催され、アレルギー支援ネットワークもこれまでの活動報告と活動の中で見えてきた課題の共有と解決法の模索のため、参加いたしました。

「震つな」についてはこちらから: http://blog.canpan.info/shintsuna/

 どの団体もそれぞれの特性を活かし、現在も被災地で支援活動を行っており、仮設住宅での生活支援や新たなコミュニティー形成、行政との連携などの課題を共に乗り越えるため、日々奮闘しています。

岩手県山田町 大沢保育園からのお手紙

お礼のお手紙を頂きました。
以下、本文です。

「やっと暑さがやわらぎ過ごしやすい頃となりました。震災から5カ月が過ぎ、町の中も色々とお店が開店したり安心して生活出来るようになってきました。
アレルギー支援ネットワーク様には子ども達への沢山のご支援ありがとうございました。子ども達は4月当初はストレスからか、湿疹がひどかったり、かゆいと身体の訴えがあったことがありました。子ども達の生活も仮設入居でやっと落ち着き、安心できたと思います。9月には運動会を計画していますので張りきっています。子ども達には沢山の皆さんの温かい応援で感謝の気持ちを忘れることなく大きくなってほしいと願っています。アレルギー支援ネットワークの皆様方もお身体を大切にこれからも頑張って下さい。ありがとうございました。」

お礼状

被災地の医療機関の状況

 これまで、保育園や学校、開業医の先生のところを回っていて感じたことは、みなさん大変な努力をされているということです。

 開業医の先生方はご自身も津波にあわれ、2階の天井まで水につかり、ようやく助かった先生もいます。仮設の開業医の先生が多く、しかもぜん息などアレルギーの患者を診ている先生の多くが診療所を流されています。それでも、いち早く地域医療に身を投げ出して寝食を忘れて頑張っておられます。多くのアレルギー患者らがこうした先生方の診療活動で救われています。

 患者支援も必要ですが、同時にこうした先生方への支援も必要だと痛切に感じています。先生方の本格的な診療所開設にむけた支援に何が必要か、考えています。大槌町の道又先生の記事がありますのでお読みいただければと思います。

日経メディカルオンライン
大震災の現場から Vol.37
仮設を卒業し、上流に診療所を新設して再スタート
「通常の医療」にめどついた岩手県大槌町、入院機能の復旧には懸念

 大船渡のうのうらクリニックの先生は、患者が3日間ぜん息で苦しみ治療に来れないと言うので、タクシー代は先生が出すからすぐに来るようにと、片道5,000円はかかる蛸の浦地域の患者のエピソードです。今も毎日バス停から医院までタクシー代を先生が負担しています。

 道又先生をはじめ現在治療にあたっている先生もとても優しい方々です。話をしていて涙を禁じえませんでした。復興は程遠い、一個人の努力でしか方法がないのでしょうか…。一体、この状況を何とかできないかと、地域医療の大切さを噛みしめているこの頃です。