熱気球高度よりも高かった津波

 去る6月5日、早朝より約2時間、名取市の復興イベントに参加した東北事務局(兼、熱気球パイロット)宮田スタッフの報告です。

 (ちなみに、イベント情報は6月2日のブログ記事、事務局長のイベント報告は6月5日の記事を参照下さい!)

 名取市「ゆりあげ港朝市」の熱気球体験。震災後生まれた2ヶ月の赤ちゃんから、お年寄りの方まで、約150名の方に搭乗してもらいました。「こんなに静かに上がっていくんですね」「朝市が全部見える~」「乗れて良かった」などなど、多くの方が初めての熱気球体験で、楽しいバルーン会となりました。

 今回は街灯などがあったため、安全上、熱気球の浮かぶ高さは12mに制限。

 気球に乗った皆さん「津波はこれより高かったなぁ」と。

 普段、はじめて気球を見る方は気球の大きさに驚かれますが、今回の皆さんの感想に、津波の大きさを改めて感じました。

 それでも、被災地の人は前向きに復興に向けて進んでます。僕らの方がパワーをもらいます。

熱気球3

(名古屋事務局から補足)
なぜアレルギー支援ネットワークが熱気球かと言うと・・・、

 実は支援ネットはアレルギー対応食の試食会を開催し、多くの方にアレルギーについて知ってもらい、被災地での正しい配慮と理解をしてもらうための企画をしていたところでした。そこに、以前被災地ボランティアで参加してくれた方と名取市からのイベント参加オファーがありちょうどマッチングしたのです!

 名古屋で長年、保育園でアレルギー対応給食の調理を担当していたスタッフが、被災地の屋外イベントで美味しく出来るように支援物資の食材で1ヵ月も前から研究をして献立を作りました!

 試食会も大好評で、今後は、岩手県沿岸部の保育園などで災害時を含めたアレルギー問題解決の普及活動と、通常の被災者個人への支援活動を同時進行で行っていきます。

大船渡活動報告:1日目

 先日の名取のイベントから引き続き岩手県で、支援ネットの災害担当栗木が新たな支援活動のため現地入りしております。また、今回は4月上旬に被災地ボランティアとして活動をしてくれた宮田さんも、東北の専従スタッフとして同行で心強し!そんな栗木からの活動報告です。

 大船渡1日目、今日はIさんとSさん(共にボランティア)に大船渡の民間保育園9ヵ園を訪問していただきました。どの保育園にもアレルギーの子はおり、多いところで5人くらい少ないところでも1~2人は必ずおり、卵アレルギーの子が多いということでした。

 その園もアレルギーの子どもも他の子の同じものが食べられる(永谷園カレーと米粉麺)食材の提供は歓迎され2~3回分程度のアレルギー対応の食材提供は歓迎されました。

 大船渡保育園ではその場で写真が撮られ、お礼の絵手紙を受け取りました。

 私(栗木)は釜石の教育委員会と釜石市給食センター、地域福祉課などを訪問しました。「震つな」から提供受けた日本財団ROADプロジェクトの左ハンドルの車(なんとベンツのジープです)を四苦八苦しながら運転しての釜石市入りです。

 途中ガソリンスタンドによってその経営していた80歳以上と思われるお年寄りに話を聞くと、「うちの地域は昔、津波にあって、集落は全部高台に移動し、その教えを受け継いできたから被害はなかったよ」といっておられました。

 祖先の教えを忠実に守りぬいた地域とそれが風化してしまった地域、仕方ないとはいえ、考えさせられる出来事でした。

 静岡・焼津からきたボランティア・Sさんは「これより津波浸水危険地域」という道路標識に感心したといいます。静岡では小さな看板で気がつかないこともあり、大きな看板の設置は確かに大切と!

 確かに!津波被害予想区域は何処も殆ど大きな被害を受けています。

 大船渡から釜石にむけて走る国道はアップダウンを繰り返し、低いところは大きな看板が目立ちます。

その地域の被害のひどさは瓦礫が片付けられたとはいえ、まともに目を向けられないものばかりです。

110606大船渡保育園にて

名取イベント報告②カレーうどん試食会

 イオンモール名取エアリにて開催された復興イベントのお手伝いをさせていただきました。ここでは開店前の駐車場を利用して、毎週、日曜日に朝市を開催していますが、その一角で熱気球の試乗会と、アレルギー対応のカレーうどんの試食会を行いました。

 「カレーうどんの試食会」では、ご支援をいただいた「永谷園のアンパンマンカレー」と「飛騨のまさいさんからの米麺」を使い、人参・玉ねぎ・しいたけ・ピーマン・豚肉と具だくさんのカレーうどんを作り、試食していただきました。栃木から管理栄養士さんがボランティアで私どものお手伝いをしてくださり、美味しいカレーうどんができました。

 食物アレルギーの方はもちろん、どなたでも安心して美味しく食べていただけるように工夫をし、熱気球試乗会に参加してくれた患者さんも含め、約300人の方に、食物アレルギーのことを説明しながら試食をしていただくことができました。

カレーうどん調理中・名取市・11.6.5