東北事務局

復興の影 東北事務局の活動

 東北事務局スタッフが以前支援した方を再び訪問した結果、アレルギーとは直接関係はないものの、腰痛が我慢できないくらいひどいで診療を受けようにも病院までの交通手段がなく困っているとのことでした。

 理由を聞くと、家計の収入が限定的で2人分の食費と仮設住宅で支払う水光熱費などを支払うと、日用品を買う余裕はなく、病院にいく交通費(数万円するタクシー代)など払えない状況だと判りました。

 そんな状態で、今まで頼りにしていた病院への送迎バス(車椅子用の)を運行していたボランティア団体は9月末で事業撤退してしまうし、親切にしてくれるボランティア団体に色々とお願いをしすぎて最近は心苦しくなっていることで、大変お困りでした。

 幸い、地元のボランティア団体に社会福祉協議会の介護専用の送迎バス利用を掛け合っていただき、病院への交通手段は調整出来ましたが、これから来る冬支度が思いやられます。

 ボランティア団体からの支援物資で冬がすごせるのだろうかと心配でなりません。

 自立するための支援が必要なのは当然ですが、それ以前の問題で物資の支援を滞らせられない事情が仮設や被災地で暮らす人々の中にまだ多くの問題として山積みになったままです。

復興支援活動報告

 今日は予想以上の遠出をしました。東北事務所のある大船渡市から一日で往復200km近くで、とても疲れました。というのも、山田町と宮古まで足を伸ばしたのはいいけれど、訪問予定の宮古市の教育委員会が市役所から20km近く山手側奥の「市総合事務所」の中にあり、とんだ誤算をしてしまったのです。。道中、何回も眠気と戦い、危ないので3回も休憩をしてしまいました。

 山田町も、宮古市も防災セットのチラシを配っていただくことになりました。山田町の保育所の公立は市から配っていただくことになりました。9月1日に文書交換で各保育所からとりに来るそうで、それが一番手っ取り早いということでしたので、市に配布をお願いしました。
また、民間の保育園は名古屋から岩手県の私学振興課の通知文を添えて直接郵送することになりました。

「アレルギー疾患研究会」報告

東北事務局からの報告です。

 7月23日(土)岩手県盛岡市で「第1回いわて小児アレルギー疾患研究会」が開催され出席しました。世話人の赤坂先生のお話では震災前から研究会の準備をされていたそうですが、震災で開催が延びていたとのことでした。

 指定講演として、大船渡病院の副院長渕向先生から「東日本大震災の経験」、赤坂先生から「日本アレルギー学会の支援活動について」のお話がありました。いずれも、先生方による震災時の医療現場での活動は、相当なご苦労されていたことがよく分かりました。

 また、特別講演として岩手医大の山内先生が「小児喘息と成人喘息のかかわりについて」を、お話をされました。その前半では、災害時に喘息など呼吸器の疾患が悪化している報告が実際の症例などの解説を交えお話され、これから秋に向かって喘息が悪化する時期だけに注意が必要だと改めて感じました。そして、本題のお話では小児期から大人に移行して喘息がある方ほど重症の型が多いということや早くから吸入ステロイドによる炎症の抑制が効果的であることも症例報告の中で強調され、小児期における「吸入ステロイド」による治療の必要性がよく分かりました。

 研究会には多くの方が参加され大変盛況で、小児アレルギー学会に参加される先生方のご活躍は本当に心強く感じられた日となりました。