事務局の活動

GW特別ボランティア活動

  GW期間中は私たちはボランティアの増員を一時中止しました。私たちがお願いしている被災地でのボランティア活動は避難所のポスター掲示や宅配なので、大量のマンパワーで一斉にやるというよりは、地道に、アレルギー支援について、避難所などにいる被災者に知ってもらう事と、周囲の方々から配慮と理解が得られるようにすることを目的にしているからです。

 GWで多くの方々が恐らく人手が必要な作業をするなかで、被災地では混乱が予想がさるとともに、個別にゆっくり話しを聞いてもらうことは難しいと判断しました。もちろん、今、被災地で活動をしている方は継続して行います。

 そのうえで、今回特別任務のボランティアさんを派遣し、GWが始まる前に今までアレルギー支援ネットワークが支援してきた方の今をフォローするためにプロジェクト訪問しながら、GW期間中に支援物資が不足しないよう物資輸送もしました。

 4月27日から約5日間を掛けて、名古屋→新潟(湯沢の赤ちゃん一時避難プロジェクト)→福島(相馬市の避難所)→宮城(仙台の物資拠点)→岩手(遠野の拠点)の、のべ3000kmを名古屋の大学院生3人が動いてくれました!!

 少しづつですが、報告をアップしていきます。

支援の壁②「手を差し伸べる先を見つけるために」

 昨日から引き続き、支援活動体制・方針を振り返ります。

 震災で困っているアレルギー患者の”声”をどうやって拾うのか、どうやって支援の手があることを知ってもらうか…。大きな課題です。

そこで、アレルギー支援ネットワークが模索して実行している方法が、
①メディア(新聞・TV・ラジオ)やインターネット(HP、Twitter、Mixi)を通じた情報発信
②行政・自治体との連携 → 避難所を巡回する保健師さんや栄養士さんを通じ広めてもらう
③避難所を回り、支援活動をアピール、ならびに連絡先を記載したポスター掲示
大きく分けて3点です。

 ①は、緊急支援の段階では、インターネットも携帯も通じないことが問題でしたが、それでも一番連絡が入ってきた方法でした。

 ②は今回のような大規模な災害で自治体自体がマヒしてしまっていた緊急時にはあまり即効力はありませんでした。しかし、行政機能が稼働し始めるとともに「市役所や保健師さんから紹介された」という方も出始めました。

 ③これは、地道で気の遠くなる作業ですが、多くの勇気あるボランティアさんのお陰で4月上旬から始め、今では「ポスターを見た」方が最も多くなりました。

 刻々と状況が変わっていく被災地と被災者の動きや必要とされる支援に合わせて私たちの支援方法や手段も変えるという、先が見えないためにコントロールが大変困難な活動です。

 今後も、私たちの支援活動が、他団体や行政、医療機関とも連携して、いかに有効的かつ確実に支援が必要な方に届けることが出来るかを同時進行で挑戦していきます!

支援活動の壁① 「アレルギーっ子はどこに隠れているの?!」

 先日お伝えした今後の支援のあり方について、少し振り返りながらお伝えしようと思います。

 私たちは、今回のような大災害時の支援方法自体もですが、あまりにも支援を必要としている方々の所在がつかめない事にずっと苦労をし続けています。

 もちろん、支援を求める連絡は入りましたが、それでも連絡が入った件数以上にもっともっと困っている方は多いはずです。

連絡がないのは、
 ①アレルギー患者が少ない/すでに疎開した
 ②限られた支給で何とかなっているから、特別な要求をしない/出来ない
 ③支援があることを知らない
のうち、②と③が大きな問題だと考えています。

 これは過去の阪神淡路大震災の支援活動時に見られた問題の一つです。「自分よりもっと大変な人がいるから…」という心理のもと、支援や理解を求めたり訴えたりしないのです。さらに、東北の地域性と言われる忍耐強さやおくゆかしさも関係するように考えています。

 ①に関しては、統計データから分析しましたが、特別に東北地方にアレルギーっ子が少ないというわけではない、という結論が出ました。

 アレルギー患者は人口比で2~3%と言われ、そもそも多いわけではありませんが、決して少ない数ではありません。もし仮に、数が少なくて、しかもその内の多くが疎開したとしても、支援が不要というわけではありません。疎開先でも支援が必要な場合も十分あるし、今現在も入ってくる支援を求める連絡からしても、沿岸地で我慢している方もいらっしゃるのは事実です。

 少人数だからこそ、理解・配慮がされず、言い出せずに困っている方に手を差し伸べ、その存在・必要性を社会に訴え理解を広めることこそが、行政機関でも一般企業でも出来ない、市民団体・NPOの役割です。

 あの手この手で、アレルギー支援活動をして行くしかありません!!